年齢を重ねてきて身体機能の低下や心境の変化により寝室の捉え方も違ってきます。
自分たちにとっての最適な寝室リフォームを考えてみましょう。
・夫婦別寝室にする
今までは夫婦が仲が良く一緒の寝室を利用していたのに、子供たちが自立したタイミングで寝室を別々にする例が見受けられるようになってきます。
自分では気が付かなかった寝相やいびき、夜中のトイレが多くて目が覚めて熟睡できないなども要因の一つと考えられますが、自分一人だけで誰にも気を使わない居場所を求めていることもあるのでしょう。
子供部屋をリフォームする
今まで子供たちが使っていた部屋を夫婦のどちらかで利用するパターンです。
1階に基の子供部屋があると移動などの心配はありませんが、2階の場合は足腰が弱ってくると昇降が難しくなるので不向きです。
どうしても2階に寝室を設けたいのであれば階段昇降機を検討するしかないでしょう。
共通して言えることは、基本的な開き戸を引き戸にしたり段差を解消することで高齢者が使いやすい寝室にリフォームできます。
できれば専用のトイレも設置すると更に快適な環境になるでしょう。
現状の寝室を区切る
寝室のスペースがある程度の広さがある場合であれば、間仕切り壁で仕切りることで夫婦別寝室にすることが可能です。
しっかりした木下地組の上にボード張りで仕上げるとプライバシーも確保されますが、お互い行き来がしたいのであれば木製の両引き戸や可動間仕切りなどを利用すればいいでしょう。
日中は開放して広々とお互いが使い、就寝時に別々の寝室に変化させることもできます。
現状が和室であれば車椅子での移動を考慮して、床をフローリングにするリフォームも合わせて行うことを勧めます。
寝室を完全分離する
夫婦や家族との繋がりを絶えず持ちたい方とそうでない場合があります。
後者の場合には家の中で静かな独立した場所が向いているでしょう。
リビングなどから離れている部屋を寝室にリフォームすることになるでしょうが、家族の生活音が気になるようでしたら2階の床や寝室の壁の防音対策も合わせて行うといいでしょう。
敷地に空きスペースがあるのであれば基礎を造り横方向へ増築することもできますし、離れを建築するとプライバシーを確保しやすい環境になります。
この場合には外出がしやすいように玄関にスロープを設置したり、体調不良などが発生したらいつでも呼び出しできる、緊急ブザーなどを設置する必要があるでしょう。
このタイプは寝室リフォームの費用が最も高額になる提案です。
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・老後の寝室リフォームのポイント
夫婦の考えを尊重する
小さかった子供たちも巣だってしまい夫婦間の会話も途絶えがちになる時期です。
環境の変化に伴い夫婦の在り方も違ってきて当然でしょう。
「一人で静かにゆっくり過ごしたい」「相手に気をつかわないで好きな事をいつでも自由にしたい」そんな考えが湧いてきても不思議でありません。
夫婦で話し合い老後のことを見据えながら納得できる夫婦別寝室を考えていきましょう。
緊急時の対応
子供たちが同居していなかったり、留守がちな場合には転倒事故や健康状態が悪化した時を考慮する必要があります。
トイレやそれぞれの寝室に呼び出しブザーを取りつけることで、お互い体調の異常を離れていても察知できる環境にしましょう。
それと万が一の事態には、各寝室から外部へ避難しやすいように庭への掃き出し窓からスロープを設置するなど避難経路を確保します。
最適な広さ
今までは十分な広さだと思っていても布団の上げ下げが大変なので、和室から洋間へ変更してベットを置くようになり車椅子の動線を考慮すると最低でも6帖は必要でしょう。
介護が必要になれば介助者が移動しやすいように広めの間取りにリフォームされることを勧めます。
家族の団欒
子供夫婦が同居しているのであれば気軽にコミュニケーションを孫たちとも取りやすい環境が好ましいでしょう。
一人で静かにしていたい方は別として、高齢になると行動が制限され部屋にこもりがちになります。
普段から行き来できる場所に寝室を配置することで活動的になり塞ぎ込むことも少なくなるでしょう。
高齢者の高さ
高齢者の寝室を計画する上で重要なのが車椅子との関係性です。
室内で過ごすことが多くなるので外の様子を眺めやすい窓の高さにしたり、電化製品の電源コンセントも車椅子に座った状態でも抜き差しできるようにすれば負担が軽減します。
できれば実際にリフォーム前に試されて位置や高さを決められると、利用者の本当に使いやすい環境になるでしょう。
お互いの介護を考える
子供たちを当てにできない、施設は費用的に厳しい場合などは夫婦でお互いを介護することもあります。
足腰が弱ってくると移動もままならなくなってくるので寝室の距離は短い方がいいし、高齢になると排泄回数も夜中でも増えるのでトイレは寝室内に設置した方が安心でしょう。
お風呂の手間を省くため室内にシャワー室を設けたり介護リフトをレンタルして負担を減らすこともできます。
冬場であれば体温も下がるし、暗がりの廊下で滑って転んだら大変です。
防音対策で静けさを確保
2世帯で生活していると生活リズムの違いから物音が気になり眠れないことがあります。
お互いあまり気を遣わないで済むように、寝室の防音対策をすることで静けさを確保しましょう。
昼間でも俳句や書道などの趣味に没頭できる環境があると心に余裕が生まれます。
・高齢者の寝室まとめ
高齢者になると寝室に対する考え方も変化が訪れます。
健康でストレスの溜まらないすごし易い寝室が求められています。
ご家族で話し合いその時に最適な寝室リフォームをされると良いでしょう。
【高齢者に優しい断熱リフォームについて、こちらの記事で詳しく書きました。ご参考ください。】