リフォーム工事を依頼しましたが着手予定日になっても中々工事が始まらず業者に確認すると、前の現場が遅れていて作業員が段取りできないので暫く待って欲しいと言われました。
結局工事は2週間遅れで始まり、リフォームの完了もそのままずれ込んで最終的には当初予定の10日遅れとなりました。
不満はありますが小規模なリフォームだったので口頭での約束で請負契約書を交わさなかったことを後悔しています。
このような事態に陥らないためにも請負契約書について一緒に見ていきましょう。
・リフォームの請負契約書とは
工事請負契約書とは自宅のリフォーム工事の請負代金や、支払期日などを明記した大切な書類です。
住宅リフォーム推進協議会が作成した「住宅リフォーム工事請負契約書」の標準書式の場合には下記のようになるので参考にされて下さい。
工事名称
〇〇邸改修工事のような工事名称が記入されます。
工事場所
□□県△△市〇〇町△△-△のように工事場所の住所が記入されます。
工 期
平成〇〇年3月15日~平成〇〇年4月15日までのように両者で取り決めた工期が記入されます。
注文者の情報
工事の注文者名や電話番号、FAX、住所などが記入されます。
注文者名:〇〇太郎 印
TEL 〇〇〇〇-△△-□□□□
FAX 〇〇〇〇-△△-□□□□
住所:□□県△△市〇〇町△△-△
請負者の情報
工事を請負う業者名や代表者名、住所、工事担当者名、連絡先を記入します。
請負者名:□□工務店
代表者:〇〇幸一
住所:□□県△△市〇〇町△△-△
担当者名:〇〇〇仁志
TEL 〇〇〇〇-△△-□□□□
FAX 〇〇〇〇-△△-□□□□
請負金額
契約図面、見積書により決定した請負金額を記入します。
金 〇,〇〇〇,〇〇〇円(税込)
請負条件
業者より提示された請負条件を確認します。
「条件例」
工事用の電気、水道などはお客様のものを使用させていただきます。
また本工事の見えない部分等の状況により施工内容、並びに工事金額に、予測できない変更が生じる場合がありますのでご了承くださるようお願いいたします。
添付書類
添付書類は工事内容を補足するために次の書類を添付します。
・住宅リフォーム工事打ち合わせシート
・住宅リフォーム工事請負契約約款
・御見積書
・仕上げ表
添付する資料に〇印を付ける。
支払方法
前払い金、部分払い、竣工払いの支払い方法を確認します。
この契約の証として2通作成して、当事者が署名押印して各自1通を保管します。
業者によって様式が違う場合もあるので記載漏れがないか確認しましょう。
不明な点や漏れがあるようでしたら様式を修正してもらいましょう。
・リフォーム請負契約書に必要な書類
住宅リフォーム工事打ち合わせシート
工事前の現状(写真または図面など)
工事変更計画(図面やスケッチ)
施主と業者側が立会いの元に現場の状況を具体的に記載します。
要望を隈なく記入してもらいましょう。
【リフォーム業者の選び方について、こちらの記事で詳しく書きました。ご参考ください。】
住宅リフォーム工事請負契約約款
第1条(総則)
第2条(打ち合わせどおりの工事が困難な場合)
第3条(一括下請負・一括委任の禁止)
第4条(権利・義務などの譲渡の禁止)
第5条(完了確認・代金支払い)
第6条(支給材料、貸与品)
第7条(第三者への損害および第三者との紛議)
第8条(不可抗力による損害)
第9条(瑕疵がある場合の責任)
第10条(工事の変更、一時中止、工期の変更)
第11条(遅延損害金)
第12条(紛争の解決)
第13条(補則)
施主と業者が公平な内容になるように、工事代金の支払いや損害の負担、工期の延期など様々な事項が記載されています。
御見積書
工事の内容や材料単価、トータル金額が記載されています。
この最終金額で契約することになります。
契約内容や図面と食い違いが無いか確認しましょう。
【リフォームの見積もり比較について、こちらの記事で詳しく書きました。ご参考ください。】
仕上げ表
外部の屋根、外壁、開口部、軒天の仕上げが記入されています。
内部の部屋ごとの床、巾木、壁、天井、建具などの仕上げが記入されています。
材料名、品番、色などが打ち合わせした通りになっているか確認します。
・リフォームの請負契約書チェックポイント
1、図面と見積書をチェック
リフォームのプランと見積書をチェックして、食い違いや漏れがないようにすることで、追加費用や変更工事が発生しないようにします。
2、仕上げは全て決定する
機器や素材などの商品や品番を決めてから契約しましょう。
あやふやにしていたり、途中でグレードアップをするとリフォーム費用が増になる原因ですので後から決めようは厳禁です。
3、請負業者に図面を作成してもらう
軽微なリフォームでも図面や見積書は契約内容の根拠となります。
請負業者によっては図面を省かれることもあるので、最悪でもスケッチは作成してもらいましょう。
4、工事請負契約書の項目を確認する
工事請負契約書は業者により書式は様々です。
「住宅リフォーム工事請負契約書」の標準書式と比較して項目漏れが無いように確認してから押印しましょう。
5、工 期
打ち合わせして作成した工程表による工事着手日と竣工日になっているのか確認しましょう。
住みながらのリフォーム工事の場合には、施主の都合でどうしても作業を控える日もあるでしょうから工程表に反映してもらいましょう。
6、工事金額
打ち合わせにより作成した見積書により取り決めた、工事金額が記載されているか確認しましょう。
値引き調整したり追加で依頼した項目があるのであれば増減した最終金額になります。
7、支払い時期
工事代金の支払い時期や方法が打ち合わせした通りになっているか確認しましょう。
・工事請負契約約款のチェックポイント
瑕 疵
リフォーム工事に瑕疵があった場合に保証される内容になっているのか確かめます。
引き渡し
リフォーム工事が完了が遅延して建物の引き渡しがずれ込んだ場合の違約金はどうなっているのか確かめます。
不可抗力
不可抗力による損害が発生した場合が記述されているのか内容を確認します。
工事の変更、中止
リフォーム工事の変更や中止が発生した場合にどのように対処するのか内容を確認します。
紛争の解決
契約に関する事項で紛争に発展した場合の解決方法の内容を確かめます。
工事請負契約約款は住宅リフォーム工事に関する取り決めが網羅されているので、難しい部分もあるでしょうが、
解釈できるまで業者と読み合わせして内容を確認して下さい。
リフォーム請負契約書まとめ
工事請負契約書と工事請負契約約款のチェックポイントを知ることで契約は急がずに一つずつ確認しながら進めれば請負業者とのトラブルを防ぐことができます。
万が一どうにもならない時には「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」のホームページをご覧になって相談事例を確認されて専門家に相談されて下さい。
【請負契約でトラブルにならないためにも信頼できるリフォーム業者を見つけることが大切です。優良業者を無料で比較できるサービスを記事で詳しく書きましたのでご参考ください。】
「住宅リフォーム工事請負契約書」の標準書式の項目は、
工事名称、工事場所、工期、注文者名、TEL、FAX、住所、請負者名、代表者、住所、担当者名、TEL、FAX、請負金額、工事内訳、請負条件、添付書類
などで契約の証として2通作成して署名押印して各自1通を保管します。
リフォーム契約に必要な書類は住宅リフォーム工事打ち合わせシート、住宅リフォーム工事請負契約約款、御見積書、仕上げ表です。
リフォームの請負契約書チェックポイントは、プランと見積書を確認して機器や素材などは決めてから契約します。
工事請負契約書の標準書式と比べて項目漏れがないか確認します。
工事請負契約約款のチェックポイントは、請負業者が工事の全てを一括して下請けさせない条項や、注文者が工事の変更や一時中止、工期の変更ができる条項があります。
工事に瑕疵があった場合には請負業者は民法に定める責任を負う条項や、請負業者の責任で工期が延びた場合には、注文者は違約金を請求できる条項があります。
トラブルが当事者間で解決できないときに、仲裁機関を決める条項などがあり重要な事なので熟読して理解して下さい。