床のフローリングを張替えるには下地の状態で費用が大きく変わってきます。
床材の種類や工程、節約するポイントを紹介します。
・床鳴りや剥がれはリフォームのサイン
リビングやダイニングキッチンなど床フローリングに異変が起きていませんか?
家族が集う使用頻度が高い場所は、傷みやすく、ひび割れしたり変形や、きしみが現れてくると要注意です。
築年数が経過すればするほどに酷くなり、敷居部分で段差が気になるようになったり、酷い場合は下地の木材も腐っていることもあります。
放置していると被害は拡大するばかりなので和室などに、床下点検口を設置して確認された方が良いでしょう。
・フローリングの種類
複合フローリング
合板に1㎜から3㎜程度の化粧単板で仕上げられたフローリングで木材特有の乾燥収縮が少ない床材です。
【複合のメリット】
無垢フローリングと比べると見劣りせずに価格が安い。
色合いや種類が豊富。
グレードにより耐摩耗性が高い製品もある。
気温や湿度の変化による乾燥収縮の発生による変形が少ない。
【複合のデメリット】
無垢フローリングと比べると表面を薄い化粧単板を貼って仕上げられているので大きな傷は補修が難しい。
無垢(単層)フローリング
木材の風合いを活かした床材で広葉樹のチークやブナなど種類が豊富です。
針葉樹の場合には柔らかな感触でパインやヒノキなどがあり塗膜塗装やワックスで仕上げます。
ナラ材を組み合わせた300㎜角の集成材を使ったフローリングブロックなどもあります。
【無垢のメリット】
天然の木材を床に張ることで質感や香りを楽しめる。
硬めの広葉樹や衝撃を吸収しやすい針葉樹など選択肢が広い。
キズがついても表面を研磨すれば目立たなくなる。
幅広材で長尺材を選べば繋ぎ目が少なく高級感が得られる。
【無垢のデメリット】
自然木なので乾燥収縮による変形があるので、施工時に適度な隙間を空ける必要がある。
複合フローリングと比べると価格が高めとなる。
天然のフローリングなので表面の仕上げが無く、ウレタン塗装やワックス、オイルを浸透させるなどの工程が必要となる。
床暖房を採用する場合には、含水率が低めの材料を選ぶなど注意が必要。
乾燥が不十分な無垢フローリングは寸法の不具合が生じやすい。
素地の状態だと汚れやすくシミが付きやすい。
【シックハウス症候群を知りたい方に参考になる記事です。】
・床のリフォーム費用を節約するコツ
無垢フローリングで安くする
硬い無垢フローリングであるメイプルやチーク材は高めですが、パインやヒノキなど柔らかい木材は比較的安く手に入ります。
フローリングのサイズも幅広は見た目も高級感がありますが、同じ材料でも幅が狭い方がコスト削減になります。
メーカーを合せる
床のフローリングを張替えるだけではなくて、両親のためにバリアフリーリフォームとして内部のドアを引き戸にしたり、奥さんのために最新型のシステムキッチンを入れ替える工事もまとめて施工すれば、リフォーム金額も高額になるので業者の現場管理費や諸経費なども値引き調整しやすくなることでしょう。
フローリング資材の発注もシステムキッチンや内部の木製建具と、同じメーカーで統一してまとめれば値引き率が高くなる傾向です。
床の異常を見逃さない
フローリングが変形して反り返ったり隙間が発生して、歩くたびに異音が鳴ったり凹む場合は、木材の乾燥収縮や下地が漏水などで腐ってしまったりシロアリに食害を受けていたら大変です。
床だけでは止まらずに壁の下地や屋根裏、骨組みなどへ被害が拡大する可能性があるので、点検をして早めの対処をすることが望まれます。
ご自分で裏側の確認が難しいのであればリフォーム専門業者に依頼して現場確認をしてもらいましょう。
お手入れで長持ちさせる
フローリングを張替えて暫くは綺麗な状態が続きますが、定期的なワックス掛けで仕上げ面を保護することでキズに強くなり長持ちさせることができます。
普段のお掃除とは別に6ヶ月に一度程度は、ワックス掛けすることで寿命を延ばすことができます。
無垢材などはワックスとの相性があるので施工業者に確認する必要があります。
・床のリフォーム費用はピンキリ
床のリフォームは小規模な工事なので、建設業許可が必要なく個人経営の施工店から大手のリフォーム会社までがあり、提案してくる材料のメーカーや諸費用の割合で数万円~数10万円と見積もりに開きが出てきます。
安いことを理由に即決すると手抜き工事をされたり、後から追加請求されることも考えられるので注意が必要です。
地元で活躍していて評判が良い施工店や全国展開している大手のリフォーム会社も含めて相見積をとり、慎重に比較することで極端に高い安い単価を知ることができフローリングの相場を掴むことができます。
コストだけでは無く会社の信頼性も含めて安心できる業者を選択しましょう。
【床のリフォームをお考えで安心できる業者をお探しであれば関連する記事があります。】
・床リフォームの流れ
床のフローリングを張替えする工程は、下地がコンクリート面に直貼りする方法であったり古い床材の上から重ね張りすることもありますが、一般的な床下地組のフローリング張替えの流れを紹介します。
古い床材を撤去する
該当する部屋の巾木を丁寧に取り外します。
壁などの周辺を傷つけないように古くなったフローリングを剥がし部屋の外に搬出します。
下地を調整する
木製の床下地組である根太や大引きの状態を点検して、湿気などで変形や腐れが無いか確認して必要であれば部材を取り替えたり補強をします。
シロアリなどの被害に遭っている場合には別途調査と駆除が必要となります。
新品のフローリングを張る
梱包されたフローリング材を開封して片側から敷き込んでいきます。
床材の張る方向は、既存の根太により決まっているのでそれに合わせて施工することになります。
部分的に固定しながら接着剤を併用して、ゴムハンマーで軽く叩き、押し込みながら敷き込んでいきます。
無垢のフローリングの場合には、乾燥収縮が大きいので床材間に適度な隙間を保つことで、材料が伸びた時にサッシや床材を押し上げることを低減させます。
巾木を取り付ける
部屋の壁面と床フローリングの取り合い部分、全てに木製の巾木を取りつけていきます。
形状に合わせてカットをして隙間がないように固定します。
変形していなければ既存の巾木を再利用することも可能ですが、樹脂や色合いが違うとバランスが悪くなるので新設のフローリングに合わせることを勧めます。
清掃片付けをする
床張り時に発生した削りカスなどを掃き掃除して、必要であれば家具を復旧します。
完了検査
リフォーム業者の工事担当者と共に施主の現場確認を実施します。
施工範囲で気になる部分や不具合があれば補修してもらい引き渡しを受けます。
・床リフォームのまとめ
床のリフォーム費用は無垢フローリングに張替える目安としては、12畳で想定するとおよそ30万円~42万円程度となり、複合フローリングで張替えた場合の目安は22万円~32万円程度でしょう。
床下地の状態やメーカー、グレードなどにより価格は異なってきます。
それぞれの特徴を理解した上でご自宅に合ったフローリングを選択されると良いでしょう。
すでにフローリングの劣化により沈んだり反り返っている時には、工事は別として下地の状況を点検することから早急にされた方が後々費用が膨らむことを防げるでしょう。
【リビングの床をタイル貼りにしたい方に参考になる記事です。】